瀬尾養蜂園は花を求めて旅をする、移動養蜂家です―

旅のはなし 
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悪いのは車屋?それとも蜂屋?(04/2/21)
 今、瀬尾養蜂園には4WDの2トン車が2台と、軽トラックもちろん4WDが2台あります。が、創業当時の瀬尾養蜂園には、軽トラックが1台あっただけ、それも360ccの車。
 おとちゃん(創業者、瀬尾孟男)が独立したころ、中古の軽トラを買ったんです。当時は、北海道への蜂群の移動は、国鉄の貨車を使っていたので、ミツバチは貨車に揺られて行ってました。そのころ、長距離フェリーもなく、おとちゃんは車を運転して陸路で北海道へ渡っていたんです。それはそれは、過酷だったようです。国道ですら、完全に舗装になってない状態ですから。
 出発前に車屋さんに「北海道まで走っていくから、整備しておいて」って言ったら、なんて返ってきたと思います?「自信ない」て言われたそうです。これは、整備の自信のない車屋さんが悪いのか、北海道まで360ccの軽トラで走っていく蜂屋が悪いのか???
 そうそう、長距離ドライブの必需品。スペアタイヤのスペアタイヤ。つまり、2本のスペアタイヤを積んで出発したそうです。そして、到着するときには、ちゃ〜んと2本とも使用したって言ってました。今では考えられないけど、これホントの話です!
難しいヒアリング(03/12/20)
 今回鹿児島に行って、久しぶり思い出したことがあります。平成元年のこと、ボクが養蜂家デビューした頃のことです。まだ、かわいらしい少年だったボクは、鹿児島の農家のばあさんに話しかけられました。
ばあさんは、流暢な鹿児島弁(大隈弁)で話を続けるのですが、デビューしたてのボクには話していることは全くといっていいほど、理解することができません。ボクのできることは、ニコニコ相づちをうつだけ。相手が何を言っているのか分からないのに、相づちを打っているのですから、会話が成り立っているはずありません。そのうち、オヤジ(ボクの)がやってきて、うちのトラックを移動しました。どうやら、そのばあさんは、「車をちょっと移動してくれ」ということが、伝えたかったらしかったです。あれから、15年、少しは鹿児島弁も聞き取れるようになりました。
困ってしまうお土産
 瀬尾養蜂園は、鹿児島・鳥取・北海道に転地する移動養蜂家です。各地には、地元の養蜂家や蜂場を貸してくれる地主さんなど、お世話になる人が大勢います。毎年、同じような時期に転地するのですが、困るのが、「大津から何を持っていくか」ってことです。いろいろ考えてみるけど、近江の名産・名物って少ないのですよ。生ものは日持ちしないし、フナ寿司は好き嫌いが分かれるところだし。今のところ、無難にお菓子や地酒を持っていくことが多いのですが、和歌山なら「梅干」、知覧なら「茶」という具合に定番があれば楽なのに〜。そういえば、「せっかく滋賀に着たのに、フナ寿司くらい食わせろ」っと言った先輩養蜂家にフナ寿司をご馳走したら、「まずい!」で終わってしまったことあったなぁ。
海道はでっかいどう!
瀬尾養蜂園の転地先の中でも、滞在期間がもっとも長いのが北海道です。北海道では、春から夏にかけ、メロンやスイカを作る農家さんが、毎日のようにみつばちを借りに来てくれます。借りに来るということは、当然数日後には返しに来るわけで、その時「はちやさんから借りた蜂が、よく仕事してくれたよ」って言いながら、メロンやスイカを持ってきてくれます。時には、トウキビやホウレンソウなんかも。とても嬉しいです。ただ、一度にくれる量が半端でない!多いのです。農家の親父に聞いたことがあります。「なんでこんなに沢山くれるの?」って。答えは「ひとつやふたつ、やった気がせん」ですって。なんともダイナミックです。北海道は人の心もでっかいどう!
「はちみつやさん」でなく「はちやさん」
 転地先では、私たちは「はちやさん」と呼ばれることが多いです。「瀬尾」という名字より「はちやさん」で通っています。毎日、蜂ばっかり世話してるのですから、当然そのように見られるのでしょう。現場があるから「はちやさん」、ただはちみつを売る「はちみつやさん」より、蜂に刺されたり、どろどろになって蜂の世話をする「はちやさん」でいたいです。

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